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PSA(前立腺特異抗原)とは?

PSA(前立腺特異抗原)とは?

PSAとは前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen)の頭文字をとった略称で、前立腺で作られるタンパク質です。採血で測定し、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられています。
 

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PSA=前立腺特異抗原の英語の頭文字
Prostate Specific Antigen
(前立腺)   (特異)   (抗原)
前立腺で作られるタンパク質

PSAの基準値は4ng/mL以下です。

ただし、PSAは 『数値が高くなるほど、前立腺がんの確率が高くなる』 と言うだけであり、必ずしも 『4ng/mLを超えたらすべての男性が前立腺がん』 というわけではありません。


一般的なPSA値と、組織検査で前立腺がんが見つかる確率は、施設により若干異なりますが、おおよそ以下のグラフのようになります。

前立腺がんの発見率.png
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特にPSA値が4~10ng/mLの時は 『グレーゾーン』 と呼ばれ、異常値ではあるものの実際に前立腺がんである可能性は3~4人に1人程度であり、組織検査(前立腺生検)を実施するにあたっては十分な検討が必要とされています。


またPSA値は加齢とともに上昇する傾向があります。このため、基準値を一律に4ng/mLと決めるのではなく、年齢によってPSAの基準値を定める、『年齢階層別PSA』という考え方があります。


50~64歳:3.0ng/mL以下
65~69歳:3.5ng/mL以下
70歳以上:4.0ng/mL以下


泌尿器科医は、必ずしも4.0ng/mLという数字だけではなく、年齢・前立腺の体積や、PSAの上昇速度などを考慮しながら組織検査の必要性を検討します。

PSAを測定して、正常値であった場合に次回の測定はいつにしたら良いかは議論のあるところです。
現在、日本泌尿器科学会では下表のフローチャートに示す推奨をしています。
基本的には1ng/mL以下であれば3年に1回、1ng/mLを超えていれば、毎年の測定が推奨されています。
現在はがんがない、またはがんがすでに存在しているが非常に小さい癌の場合にも、年々大きくなればPSAの値が高くなると考えられています。50歳以上の男性は、正常値であっても定期的にPSAを測定することをお勧めします。

PSAが正常の場合の次回測定はいつ?

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前立腺がん検診の流れ.png
PSA

 

PSA値が高かった場合、MRI検査などの結果や患者さんの背景を加味して組織検査によって前立腺がんかどうかの確定診断を行うことがあります。この前立腺組織を針で採取し、病理学的にがん細胞の有無やその悪性度を調べる検査を『前立腺生検』といいます。

当院で行う前立腺生検は入院して麻酔下に行いますが、通常は『経会陰的生検』と呼ばれる、会陰部の皮膚面から前立腺を穿刺する方法をとっています。また、生検はエコー画像を見ながら行いますが、エコーでがんが疑われる病巣が不明なことはよくあります。そういった場合は、通常は前立腺の決まった場所を12箇所ほど針で採取していますが、MRI検査の結果でがん病巣が疑われる場所がある場合、その部位の組織を逃さず採取する『MRI超音波画像融合生検』を行っています。

この生検法は2022年より保険適用となっています。

→前立腺生検を考慮

​PSAが高値の場合がどうする?

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直腸から挿入する超音波プローベです。長さは短く、大腸の内視鏡検査のように奥深くまで挿入するわけではありません。

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超音波で前立腺を観察し、適切な画像を描出します。

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事前に撮像したMRI画像を超音波画像と融合します。

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融合した画像を参照に、MRIでがんが疑われた部位の組織を確実に採取します。

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モニターの黄線部が、がんの疑われる部位(ROI)を示していますが、確実に組織採取されていることがわかります。

検査結果の判明には通常2週間程度かかりますので、退院後の最初の外来受診時に担当医から結果の説明があります。
前立腺がんと診断がついた場合には、画像診断などの検査の追加や、治療に関する説明がありますので主治医とよく相談して下さい。

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