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教育・研修カリキュラム

昭和大学泌尿器科学講座における臨床研修プログラム

昭和大学泌尿器科学講座は、開設以来多数の同門の泌尿器科医が育っており、それぞれが日本の医療の発展のために貢献してきました。


現在は昭和大学病院、ならびに関連病院も含め50〜60名の教室員で構成され、臨床、研究、教育に切磋琢磨しております。


昭和大学泌尿器科学講座では「一般泌尿器科医」としても独り立ちができる泌尿器科医の育成を目指すと同時に「世界に通用するアカデミックな泌尿器科医」の育成もめざし個々の状況に応じたきめの細かい研修の配慮がなされています。


ここでは平成16年度からの卒後臨床研修必修化にともない、日本泌尿器科学会の専門医のシステム、昭和大学における大学院の制度も変更になり、これに伴い変わった当院における臨床研修システムの概要についてご説明します。

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(1)研修プログラムの目的及び概要
泌尿器科専門医として必要な知識および技術修得を目指します。これを達成するためには、経験症例数および手術件数が充分で、教育の質が確保された施設で行われる必要があります。 また昭和大学泌尿器科学講座では、可能な限り実際に手を動かして体験してみることを第一として指導医の立会いのもとに様々な診療行為を実地体験し、身につく臨床研修ができるよう配慮しています。また症例、手術の種類に各病院により個性があるため、研修機関に定期的にローテーションし研修期間中にバランスよく一般泌尿器科、悪性腫瘍の管理、透析医療などが修得可能となるように調整されています。

(2)研修の全体的な流れ
・初期研修プログラム:卒後の臨床研修 (2年間)の中で希望者が1~3ヶ月研修。
・後期研修プログラム:専門医の資格取得まで(4年間:卒後6年目ごろまで)
・指導医取得プログラム:指導医の資格取得まで(約5年間:卒後10年目前後)
基本的には、臨床研修は卒後10年前後で泌尿器科医として一定のレベルに到達させることにあります。泌尿器科医としての専門性の高い診断、手術、術後管理の技術の取得を目指すとともに、学会発表、論文作成などの研究活動も要求されます。ここでは専門医取得を目指した後期研修プログラムについて解説します。

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(3)後期研修プログラム
日本泌尿器科学会は、新臨床研修制度に対応して専門医制度を改正しました。それによると、2年間の初期研修後、さらに4年間泌尿器科基幹施設での研修を義務付けています。新制度での専門医取得までの研修については、昭和大学泌尿器科学講座では以下のようなスケジュール、目標に沿って研修が行われます。

1. 研修開始宣言
卒後臨床研修2年終了後の4月から6月の間に行う日本泌尿器科学会専門医制度審議会に登録(研修開始登録)・泌尿器科専門

研修開始
2. 専門医資格試験受験資格取得
泌尿器科専門研修3年終了時(4~5月受験願書受付予定)


3. 専門医資格試験受験
泌尿器科専門研修4年目(8~9月予定)
合格後、専門医認定申請(10~12月予定)


4. 専門医認定
泌尿器科専門研修4年終了後、4月1日付

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また研修に必要な症例、手術手技の種類、症例数などについても日本泌尿器科学会より「泌尿器科専門医のための研修目標(2006年版)」に詳細に記されているため研修内容についてはこれに準拠しています。


この日本泌尿器科学会の研修目標では、数多くの症例を経験することが要求されていますが、昭和大学泌尿器科では下記の病院を研修病院としており、いずれの病院でも症例数・手術数が豊富であるため有意義な泌尿器科研修が行えます。

研修施設

(4) 研修プログラムの詳細
昭和大学泌尿器科学講座では、前述したごとく各関連病院間が協力して多様な手術手技および充分な症例数を経験できるように、4年間(卒後6年)で泌尿器科専門医を取得できるプログラム(泌尿器科専門医取得コース)を構成しています。 また、研修医の要望に応えるため、希望者には専門医取得とともにほぼ併行して学位取得も可能にするプログラム(大学院進学コース)も併設し、短期間での専門医取得と学位取得の両方を可能にしています。 将来、臨床一筋に生きることを目標とする方は専門医取得コースを、研究などにも興味がある方は大学院進学コースがお勧めということになります。 ただ前期臨床研修終了の段階では、自分が何を目指したいか明確にできない場合もあると思います。 昭和大学泌尿器科では、数年間臨床研修した後に大学院に進学したり、大学院に進学しなくても泌尿器科専門医取得コース終了後に大学病院や関連病院に勤務しながら学位を取得することが可能となっています。

(5) 取得できる資格
5年終了後に専門医試験を受験し、合格すれば6年終了時点で日本泌尿器科学会認定専門医を取得できます。また日本透析医学会専門医、日本腎臓学会専門医の取得も可能です。
このほか現在に医局員が保持している資格は以下の通りです。

  • 日本泌尿器科学会専門医、指導医

  • 日本透析医学会 認定医 指導医

  • 日本腎臓学会 認定医 指導医

  • 日本生殖医学会 生殖医療指導医

  • 日本がん治療認定医機構 認定医 暫定教育医

  • 日本がん検診診断学会 認定医

  • 泌尿器腹腔鏡技術認定医

  • 日本内分泌学会 内分泌代謝科 専門医

  • 日本抗加齢医学会 専門医

など

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(6) 泌尿器科後期研修プログラム(専門医取得コース、大学院進学コース)終了後
基本的には、各個人の希望に応じて対応します。一般的には、後期研修プログラム終了後も多くの泌尿器科医は、付属病院、関連施設において常勤医として勤務し、さらなる臨床技術の研鑽を積むことになります(指導医取得コース:約5年間)。研究希望者は昭和大学病院職員として(員外助教も含む)臨床、基礎研究に従事できます。また、関連病院に在籍する場合も、昭和大学泌尿器科学講座の研究生として研究の支援を受けることができるため、前述したごとく大学院に進学しない場合も学位取得が可能となっています。
 

昭和大学泌尿器科では国際交流も盛んで、米国を中心とした留学(2年)を積極的に勧めることにより、研究面での発展を図っています。一方、日本全国に100名近い昭和大学泌尿器科学講座同門会の泌尿器科医が開業医、勤務医として活躍しており、開業に際しても支援されます。


さいごに
昭和大学泌尿器科学講座では、泌尿器科医師の一人一人の意見を尊重し、機械的に研修プログラムを動かすことはありません。すべての重要事項は、関連病院の医師が全員集まり意見を交わす会「総合医局会」の意見や、関連病院の医長からなる「昭和大学泌尿器科学講座運営委員会」の合議制で決定され、決して「教授」や「医局長」の独断でものごとが決められることもありません。自主性と個性を重んじた体制が昭和大学泌尿器科の特徴ともいえます。また研修に関しては、できるだけ均等で、かつ個人の要望に合ったフレキシブルな臨床研修を目標としております。泌尿器科に興味のある方、やる気のある方を大いに歓迎します。興味がある方は是非とも一度昭和大学泌尿器科を訪れていただければと思います。

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